■日経BP社 浅見直樹
辻本さん、その辺はどうでしょう、去年と比べてグローバル化の進み具合は。
■カプコン 辻本春弘
進み具合といいますか、僕は日本のゲーム業界の持ってる可能性は非常にあると思っています。
一つはやはり、ふたつ分けますとコンソールのですね、昨今のプラットホルダーさんとしてのご提案ですね、これについてはやはり任天堂Wiiから始まったやっぱり体験型コントローラというのがありまして。
これってまさしくね、本来で言うと日本のゲーム業界というのはアーケード出身の会社って多いわけですよね。
たとえば昨今欧米で売れていますロックバンドとかギターヒーロー、これって北上さんのところのお得意じゃないですか。そんなわけですよ。
体感ゲームって日本からスタートしたもんですね。
やはりそういうことを考えますと日本のアーケード技術でものを作っていくというのはあると思うんですよね。
それを変にこう、なんというんですかね、アーケードはよくなくなってきたのでそういう元気がなくなってきている。そうじゃなくて、アーケードであった長年の経験、知恵とかですね、技術とかをやっぱりコンソールに持ってくるべきであると。そういうチャンスがあると思います。
もう一点、携帯でいいますと、先ほど申し上げているとおり、日本って携帯先進国なわけですね。
携帯電話でも一番早く日本がスタートしていって、いろんなビジネスモデルが展開できた。
ということはどういうことかと申しますと、日常的にゲームユーザーがですね、携帯ゲーム機を持ってどういう風にゲームを慣れ親しんでいるか、ということを目の当たりに感じているわけですから、そういうことを理解してゲームの中におけるですね、企画開発等に入れこめばね、僕はやはり欧米とは違う形においてですね、勝負ができるんじゃないかなと考えます。
したがいまして僕はやっぱり日本のゲーム業界の開発においてはポテンシャルが高いと。
ここをやっぱりこれを基軸にどうやって築いて、がんばっていくことかと考えています。
■日経BP社 浅見直樹
ありがとうございます。鵜之澤さん、アーケードの技術はまだまだ活かせますか?
■バンダイナムコゲームス 鵜之澤伸
活かせるんでしょうけど、僕らはバンダイナムコが三年前に統合して今一つの飯食っている感じでだいぶ雰囲気がわかったんですけど、うちに限らずですね、アーケード部門と、いわゆる業務用の部門と家庭用の部門はですね、大きな壁が社内でありますよね。
みんな苦笑いするんでしょうけど。
頭変えたり組織ぐっちゃにしちゃえばいいんですけど、あまりにモデルが違い過ぎるというか。
やっぱり辻本さんが言うように、たとえば「鉄拳」6800円とかその60何ドルかで売るんじゃなくて、ダウンロードでただ、ワンプレイ100円。
これもしかしたら度胸があってはじめたらかなりすごいのかな、という感じもしますよね。
世界中の人が基本的にはダウンロードただで、ワンプレイ100円でも50円でもいい。
そういうことができればいいんですけど、なかなかそれに踏み切る度胸がないっていうね。
でもやっぱり、おっしゃるようにインターフェイスが変わったりということについてもですね、業務用の連中はやってましたしね。
たとえば今後出てくる、立体、3Dの立体なんかも旧ナムコもサンダー何とかというんで、大昔やったことがあるっていうんで、いろいろあるんですよね。
ただ、なかなかそれが家庭用なりそういう技術が進化によってハードのスペックとかですねコストとかですねなかなか追いつかない。追いつかなかったものが、今、かなりのスピードで追いつき追い越そうとしている。
やっぱりそのアイディアのDNAは社内でもいっぱいあるんですけどね。
どうもね、あんまり愚痴になりますけど、部門の壁が。つまんない話なんですけど。
■日経BP社 浅見直樹
ではぜひその壁を取っていただいて新しいものを出していただけたらと思います。
■バンダイナムコゲームス 鵜之澤伸
コミットしておきましょう。壁を取ります。
社員が一番ビビると思うんですけど。
Part18に続く