東京ゲームショウ2009 基調講演2部「グローバル時代におけるトップメーカーの戦略と展望」全内容Part11
■日経BP社 浅見直樹
北上さん、どうでしょうか。ネットワークは根付き始めたと感じられますか。
■コナミ 北上一三
前から感じているんですけれども、要は電子マネーの問題がもともとはあるんですよね。
我々の当然ネットワークを使ってビジネスを、次世代だということでみんなやっているわけですけど、なかなかお金の回収ができない。
それをうまくできたのが携帯電話なんですよね。
日本でいち早くオンラインらしきもの、ビジネスモデル的に成立したのが携帯電話で、キャリアがお金を回収して分配すると。
ところが今のゲーム業界というプラットフォーム的にいうと、まだ電子マネーというものがきちっと一般化されていない、していないというか、ユーザーの立場になると、ウェブマネー買うよりかはパッケージがほしくなる。
まあ、中古の問題も、ユーザーは新しいものが欲しい時、古いのを売ったりしますし、いろいろなことで、我々はこれからオンラインネットワークでなんとかしようというのであれば、やはりもっともっと電子マネーを日本だけでなくて、アメリカでも電子マネーきちっといきわたっていません。ヨーロッパもそうだと思います。法律の問題も、特にヨーロッパはたくさんの国がありますから、法律の問題もあります。
そういう面では、オンラインがキチンとなるという、我々の主軸になるのは電子マネーがワールドワイドでもっときちっとルール化されて、ユーザーが一般的に使えるようになれば、我々にも多くのチャンスが巡ってくるという。
■日経BP社 浅見直樹
そういう意味で続いて伺いたいのは、北上さんさきほど大きな変化はモバイル、携帯ゲームじゃなくて、ポータブルに大きな変化があったというお話をされていました。
で、吉田さんの方からはiPhoneにおけるアプリケーションとしてのコンテンツの可能性を感じられているというお話がありました。
で、鵜之澤さんの方からは、じゃあほんとにiPhoneで何ダウンロードして会社を支えられるのかというご指摘もありましたが、そういう意味で、じゃあ北上さん、長い間この業界を見ている中で、携帯というプラットフォームにおけるゲームビジネスの可能性というのをどう考えてますか。
■コナミ 北上一三
携帯ゲーム、非常に前から可能性が一番あるんじゃないかと思っています。
それは、一人一台持てる。家庭用のコンソールは今はどうかわかりませんけど、一家に一台。
たとえばプレイステーション3を3人兄弟が3人とも持ってるか。持ってませんよね。
でも、携帯ゲームは、3人兄弟3人とも持ってる。
やはり、このほんとにゲームというのは一人一台じゃないか、一人一台持つことによっていろんな新しい遊び、自分視点でプレイに参加できたり、兄弟3人でも自分一人で一緒にプレイ出来たりと考えますと、ゲームボーイが出てから毎年成長しているかと思いますけど、ハンドヘルドというのはまだまだ一人一台という発想の中で、これがまたネットにつながることによって、まだまだ大きな可能性を秘めていると思います。
Part12に続く