東京ゲームショウ2009 基調講演2部「グローバル時代におけるトップメーカーの戦略と展望」全内容Part5

■日経BP社 浅見直樹

かなりみなさん、力強いご発言をいただいたと思っているのですが、逆に伺いますと、中長期的にもゲーム業界の継続的な発展に対しては自信をお持ちなのか、それともなんらかの危機感をもってらっしゃるのか、その辺を先行きを見た時のこと、今年の年内の決算のことではなくてですね、中長期のゲーム業界をどう見ているかということを北上さんの方から。

とりあえずさっき、今調子いいということと来年は別だというお話をしていただけましたが、いかがでしょうか。

■コナミ 北上一三

将来、近い将来なのか遠い将来なのかわかりませんけど、ゲーム業界というのはもう20年以上続いてきていて、その中でいろいろな波があったり事件があったり、進化があったりを繰り返して、今現在があるわけですけど。

その中で20年間続けてきて成長を遂げてきたということは、常に新しい提案をユーザーのみなさんにできたかな、と。そしてユーザーの皆さんは新しい感覚、新しい遊び、そういうものに刺激されて、そしてゲームのプレイ人口が増え、ユーザーが増え、日本だけでなく全世界に広がり、ということだと思います。

これから業界、ゲームはどうなのかいうことを考えますと、やはり新しい進化、新しい提案、新しい遊びというものをどう作り出していくか。

今まではハードメーカーさんの努力もあり、技術も進化し、我々ソフトメーカーの表現力が増して、新しい提案をその中に組み込んで提案できた。

これからもそのパターンだけでよいのかと考えますと、やはりハードメーカーに頼るんではなくて、我々ソフト、コンテンツという面で、コンテンツとして進化していかないといけないと思います。

それのいいヒントはWiiであったりニンテンドーDSであったり、新しい遊びを提案して成功した。

我々も今度は反対にソフトだけで今までの感覚ではない、新しい感覚をプレイヤーの人たちに与えることをしなければ、たぶん右往左往、業界としては成長を妨げる要素になるんじゃないかと考えています。

■日経BP社 浅見直樹

つまり、任天堂の新しいプラットフォームというのはある一定のヒントにはなっているということですかね。

■コナミ 北上一三

今まで体を使ったゲームというのは無かったので、体を使ったゲームができた。それをいろいろな角度でプレイヤーの人たちに提案できたということでは一つ進歩したんだと思いますけど、そればっかしでこれから、人間やはり飽きますから、それとは違う新しい提案を毎年毎年、あるいはその時代時代で提案していかなければいけない。

Part6に続く

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