東京ゲームショウ2009 基調講演2部「グローバル時代におけるトップメーカーの戦略と展望」全内容Part2

■日経BP社 浅見直樹

和田さん、いかがでしょう。リーマンショックはゲーム業界にはあまり関係ない問題でしょうか。

■スクウェアエニックス 和田洋一

 

証券出身なのでリーマン絡みの話でいきますとですね、ようするにクレジットが破壊されたという話なんですよね。

住宅や車になんで影響が出たかっていうと、キャッシュで買っている人がほとんどいなくて、どっかからお金を引っ張って買っていたと、だから影響を受けたわけですけど、辻本さん北上さんがおっしゃるようにそもそもエンタメですから、あーんまり関係ないんですよ。

関係ないことに加えて、基本的にゲームを借金して買う人はほとんどいませんので、手金で買いますから、ユーザー側の影響はほぼないんですね。

ただ、影響があるとすれば、小売店の方々とかというところが、仕入れる時にですね、手金で仕入れる方はあんまりいませんので、確かなもの、お客さんがほしいかでなく、お客さんがほしいとリテーラー方々が思うものしかわりと塊で仕入れていただけないことがございましたよね。

ですから、マーケット全体が足踏みしたように見えましたけど、それは影響を受けたのはお客さんではなく、真ん中にいるところがファイナンスの影響を受けたのではないかと思っています。

今から30秒ほど私宣伝に入りますけど、ものすごく感じの悪い発言なんですけど、私どもに関しましてはですね、「ドラゴンクエスト」おかげさまをもちまして400万本超えました。

いまだにブームでいると。

グループに入りましたアイドスの「バットマン」250万、世界で出荷しました。

もうちょっと私、もうちょっと感じ悪いです。

年末には「ファイナルファンタジー13」をps3で出し、Wiiでかなり自由度の硬い「FCC クリスタルベアラーズ」を出します。

要するに相当宣伝で感じが悪いんですけど、全般的にあんまり変わっていないんですよ。

我々はたまたま今年にタイトルが集中するということがあるんですけれども、どういうタイトルが出てくるのかということの方が今のところ影響がありますよね。

それは構造的な問題が無いという話ではないんですけれども、リーマンショックによるダイレクトな影響というのは実はあまりない、ということなんだと思います。

■日経BP社 浅見直樹

先ほど辻本さんの方からは一つネットワークがこの1年間に家庭の環境を変えたという話があり、北上さんの方からはポータブルが一つ大きく変わったという話がありましたが、そういった風に何かテクノロジーであり市場動向でありユーザー層であり、なんか家庭における変化を感じられたものはありますでしょうか。

■スクウェアエニックス 和田洋一

携帯ゲーム機をもって、かつワイヤレスで、あるいはWi-Fiで遊ぶ習慣といいますか、これはだいぶ定着しましたよね。だから、作り手の方もそれを前提で考えますから、ものすごく豊かになるんだと思います。

この一つめの質問に対する答えに適切かはわからないんですけれども、わりと向こう5年間で重要なのはですね、ハードとかゲームソフトのスペック面でのイノベーションではなくて、ちょっといやらしいんですけど、課金がどうしたとかですね、収益モデルがどうだとか、遊び方がどうだとか、そっちの方のイノベーションのはずなんです。

非常にスペックが上がっていて、それにリニアに進化するということではなくて、かなり収益モデルがどう多様化して、それがお客様方に定着していくかということで、次のブレイクスルーがあると思うんですよね。

そういう意味では、我々はまだ越えきれていませんから、問題を抱えているということは言えると思います。

Part3に続く

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