「豪語する人々~その訳は~」Part1
「強気すぎる発言」

『Xboxは売れない』(任天堂山内前社長 注1)。『ゲーム機戦争は終わった』(SCEA平井社長 注2)。『マイクロソフトの辞書に敗北の文字は無い』(MS大浦常務 注3)。独走態勢に入っているPS2(プレイステーション2)を追いかけるGC(ゲームキューブ)とXbox。数字を見る限りでは対決ムードは無いに等しいが、言葉の上では熱い戦いが繰り広げられている。

舌鋒するどく、相手をけん制する言葉の数々は、なんとも威勢のいいものばかりである。ライバルを酷評するもの、自らの勝利を宣言するもの、自分達の負けはありえないと言うもの、発言内容は多岐にわたるが、それぞれに強気な発言である。基本的に、ゲーム業界にいる人間、特にハードを供給している企業のトップからは強気な発言を良く聞く。

その最たる人物が、強気な発言で鳴らしていた任天堂の山内前社長であろう。彼が発してきた言葉の数々には、名言・至言も多く含まれているが、その多彩な発言のせいで数多くの人間から色々な評価をもらっている。一例を挙げるとこのようになる。『こんなに頭ごなしにガミガミ苦情を言う人も珍しい。…よほどの自信家に違いない』(「新・電子立国第四巻」 注4)。『反感を買う人』(「ゲームの大学」 注5)。『きわめて個性的な経営者』(「セガvs.任天堂」 注6)。『冷厳な目差し、薄い唇、顔は笑っても目の奥は笑っていない。表情はほとんど変わらない。神経は繊細で、感情は薄く少ない』(「セガvs.任天堂」 注7)などなど。

これだけの評価を他人から受けているのは、彼の発する言葉が非常にはっきりしているからであろう。切れ味が鋭くとも、必ずしも皆に好まれる発言をしてきていないことがこの評価に繋がったと思われる。だが、彼ほどではなくても、ゲーム業界のトップにいる人達の発言はいつも歯切れの良いものが多い。セガの中興の祖であり元社長であった中山氏も『山内さんはアミューズメント・ビジネスというものが全然わかっていない』(注8)といった厳しい批判を平気でしている。

しかし、ここで疑問が生じる。どうして彼らはここまできびしい物言いをするのか、という疑問だ。普通に考えれば何も、そこまで言わなくても良いのではないかと思える。ものには言い方があるだろうし、あまり手厳しい表現は好まれるものではないのだから、発言の代償として敵を作るだけの結果にもなりかねない。

確かに、第三者の立場から聞けば、トップ同士の舌戦はこの上なく面白い。だが、彼らも第三者を楽しませるために言葉を発しているわけではないはずだ。では、あえてこうした表現を続けるのはなぜなのか。何か訳でもあるのだろうか。あるとすれば、どういったことが原因なのか。

「明確な理由も無いままに、厳しい批判を続けるわけが無い」。この仮定を基に、その訳に迫ってみることにしたい。

注1…(Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト 「“Xboxは売れない” 任天堂社長、山内溥さん」 2002年1月17日)
注2…日本経済新聞 2002年6月7日
注3…Mainichi INTERACTIVE ゲームクエスト 2002年7月3日
注4…「NHKスペシャル 新・電子立国 第4巻 ビデオゲーム・巨富の攻防」P263 著相田茂・大墻敦 日本放送出版協会 1997
注5…「ゲームの大学」P326 著平林久和・赤尾晃一 メディアファクトリー1996 
注6…「セガvs.任天堂」P206 著赤木哲平 JMAM 1992
注7、8…「セガvs.任天堂 新市場で勝つのはどっちだ!?」P47・P28 著国友隆一 こう書房 1994

(つづく)

(ライター:菅井)

■ゲームニュース
ゲーム最新ニュース

PS4
PS3
PS2

PS Vita
PSP

Wii Wii U

ニンテンドー3DS
ニンテンドーDS

Xbox One
Xbox360

WINDOWS
DVD ブルーレイ

スーパーロボット大戦
テイルズ オブ
ファイナルファンタジー

ゲームニュース2007年
ゲームニュース2006年
ゲームニュース2005年
ゲームニュース2004年
ゲームニュース2003年
ゲームニュース2002年
ゲームニュース2001年
ゲームニュース2000年

■各種コンテンツ
ゲームいろいろ情報サイトマップ
ゲーム発売日
アニメ発売日
漫画コミック発売日