「PS2、勝利宣言 ~ソニーの事情~」Part4
「避けられない戦い」

『過去、最も厳しい決算だった』(2002年6月6日 日本経済新聞)。ソニーの徳中副社長は前期、2002年3月期を振り返ってこう語ったという。ソニーの中核事業、エレクトロニクス部門が赤字に陥ったことを受けての発言だが、なんとか黒字を維持したのはゲーム部門が大幅な利益を稼いだからだ。

しかし、いくら好調なゲーム部門であっても、その内部では相当な焦りを感じているようだ。それは、ゲーム機戦争を早めに終わらすことで、ゲームなどのコンテンツを事業の軸にしたソニーグループの未来像を安泰なものしなければならないからだ。平井氏による「ゲーム機戦争終結宣言」はそれを証明しているのだろう。

そのための第一歩としてPS2の値下げを敢行したが、逆に価格競争を引き起こしてしまい他社のハードの普及を促すという結果に終わってしまった。価格面での勝負は、ソニーにとって裏目に出てしまったのだ。結局、ゲーム機戦争は言葉と価格以外のもので決着をつけるしかない。そのひとつとして、オンラインゲーム市場での勝負がある。

現在は、オンラインゲーム市場でのPS2の位置は限りなく他のハードと同じレベルにあるが、もし同市場で優位な立場に立てば、Xboxとの競争には勝てるだろう。なぜなら、Xboxの一番の強みはオンライン機能が備わっている所だからだ。その強みを挫くことができればPS2の魅力にXboxは適わない。だが、勝敗はそんなに簡単に決しないだろう。マイクロソフトは勝つまでゲーム機戦争をやる気なのだ。マイクロソフトの本気の具合は、今後五年間に20億ドル(約2500億円)を投入すると発表していることでも分かる。本気になったマイクロソフトはソニーにとって手強い相手になるはずだ。

同じくGCを抱える任天堂との勝負も容易に決まるわけがない。任天堂は低年齢層に根強いファンを持っている。そのため、勝負をするのはオンラインゲーム市場以外のもの、はっきり言えばソフトの質と量で戦わなければならない。だが、彼らに受けるゲームを作るのは任天堂の方が一枚上手だ。だからこそ、PS1の時代でも彼らを切崩せなかったのだ。任天堂が2002年3月期に過去最高の利益を挙げたのは、そんな老舗の底力を見せつけたと言える。PS2で圧倒的優位に立つソニーグループの決算が悪く、逆に追いかける立場の任天堂が過去最高の決算を出しているのだから、何とも皮肉な話だ。

結局、平井発言によってゲーム機戦争が終わることは無いだろう。逆に、まだまだ続く可能性が非常に高い。勝利宣言程度では、他社はびくともしないのだ。反対に、ソニーグループの焦りが感じられた、身内からの勝利宣言ではなかっただろうか。

(おわり)

(ライター:菅井)

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