【コラム】「変わり行く任天堂 ~変化に迫られたわけ~」part2
「再認識」

任天堂が今までの態度を軟化させ、スクウェアなどのソフトメーカーに寛容な姿勢を取るようになってきたのには、GBAが思うように伸びていない事情があるからではないか。

GBAのハード自体は発売以来、順調に売れているのだが、専用ソフトがあまり良い売上を残せず、伸び悩んでいる。『アドバンスのソフトは一タイトルあたりの販売本数が少ない』(2002年2月14日 日経産業新聞)と販売店から嘆き節も聞こえてくるほどだ。GBA用ソフトのタイトル数は数多く出ているにも関わらず、タイトル数に見合った販売本数を確保できていないのが現状だ。ハードの利益率の低さを、ソフトの高利益率でカバーしているゲーム産業の特徴を考えると、任天堂にとっては厳しい結果が出ている。そうなると、任天堂としては、売れるソフトを何としてでも確保する必要がある。

その際に、スクウェアのゲームソフトをGBA用ソフトとして再参入させる選択肢が検討されたのであろう。そうでなければ、スクウェアとの取引再開をもうすこし早めに発表していたと思えるからだ。スクウェアはこれまで、任天堂と再参入について交渉を重ねていた。もし、任天堂が従来から再参入の許可を検討していたのであれば、もっと早くスクウェアに伝えてもおかしくは無い。なぜ、GBAソフトの販売不振が今年一月に表面化してからの再参入発表だったのか。あまりにもタイミングが良すぎる。まるで、スクウェアソフトをGBAに投入することでソフトの販売回復をもくろんだのだと、言っているのと同じことだ。

任天堂はソフトの販売回復をスクウェアソフトで達成しようと考えた。仮に、そう仮定すると任天堂は他社ブランドの価値を再認識したのだと言えよう。同社が、世界最大のゲーム企業に成長したのは、ゲーム機「ファミリーコンピューター」(ファミコン)の大成功が土台になっているが、ファミコンの成功は、任天堂ソフトの存在だけでは語ることはできない。他社の優れたソフトもまたサクセスストーリーを形成する上で重要な役割を担ってきた。しかし、任天堂は「ファミリーコンピューター」「スーパーファミリーコンピューター」「ゲームボーイ」などの華々しい成功の影で、他社のソフトがもたらしてきた恩恵を忘れていったのだろう。“思い上がり”とも言える任天堂のこれまでの態度を見れば、そう思えてしまう。

その任天堂が、業界関係者に『(任天堂に)後ろ足で砂をかけて出ていったようなもの』(2002年1月10日 日経金融新聞)とまで言わしめたスクウェアを容赦したのは、他社ブランドが果たしてきた役割の重要性に気がついたからではないか。セガやナムコなどとも、協力体制を築きつつある背景には、スクウェアの場合と同じ理由があったからだと推察できる。つまり、任天堂はGBAやGCなどをハードの面からもソフトの面からも盛り上げるためには、過去の成功例から、他社の協力が欠かせないと判断したのだ。

スクウェアに対しての態度の変化から、方向性という“舵”を切り替えた任天堂の姿を確認できる。

(つづく)

(ライター:菅井)

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