【コラム】「オンラインゲームの海外流失 ~韓国進出の裏側~」Part2
「韓国の魅力」

日本のゲームメーカーが韓国に進出する背景には、韓国オンラインゲーム市場に大きな魅力があるからだろう。特に韓国には、大手のソフトメーカーであるカプコン・ハドソンなどがそれぞれ独自の手法でオンラインゲームを提供、または提供を予定していることを考えれば、韓国市場は強い魅力を持っていると言える。では、韓国市場の魅力とはどこにあるのだろうか。その答えは韓国のオンラインゲーム会社NCソフトが開発したオンラインゲーム「リニージ」が握っている。

NCソフトは、オンラインゲームで韓国最大手の企業である。その同社が1998年に発売した「リニージ」というオンライン戦略シミュレーションゲームは、発売以来韓国国内で記録的なヒットとなった。若者だけでなく、30代~40代の大人をも巻きこんで一大ブームを巻き起こした「リニージ」は月一回以上、同ソフトを利用するユーザーを200万人以上獲得、ピーク時には約10万人もの人達が同時に「リニージ」に参加するほどの人気を得た。韓国国内のオンラインゲーム市場は2000年の時点で前年比9倍弱の1915億ウォン(約190億円)に急成長したが、その4割程度を「リニージ」が占めているという。まさに、「リニージ」は韓国のオンラインゲーム市場急成長の立役者であったといえるだろう。

2000年度の日本のオンラインゲーム市場の市場規模は、野村総合研究所の試算では、数億円と言われていることを考えれば、「リニージ」によって急成長した韓国オンラインゲーム市場と、その「リニージ」の大きさを改めて感じさせられる。

この急成長の大本には、契約数が700万にまで膨れ上がった韓国のブロードバンド事情があろう。韓国国内の総世帯数がおよそ1600万であるから、一世帯・一契約と考えれば、韓国では約半数の世帯でインターネットの常時接続が行われている計算になる。このように、ブロードバンドが広く普及した韓国のインターネット環境は、オンラインゲームの普及・成長にうってつけの場所だったのだ。オンラインゲームを遊ぶのに、高いハードルがあるならば、普及の大きな妨げになる。そういう障害が無い韓国はオンラインゲーム市場が誕生する下地が十分に存在していたのである。「リニージ」の大成功はこうした恵まれた環境を最大限利用した結果だと言えるのだ。

韓国の魅力はまさに、ここにある。つまり、高いブロードバンド普及率に支えられて誕生した巨大なオンラインゲーム市場が、韓国に進出した日本のソフトメーカーにとって大きな魅力なのである。オンラインゲームを提供する側としては、韓国は遥かに事業展開がし易い場所であり、利益を挙げられる可能性が大きい市場なのだ。

だが、日本のソフトメーカー各社は韓国オンラインゲーム市場が有する魅力だけを目当てに韓国に乗りこむわけではない。彼らは“韓国市場で得られる利益”以外にも重要なものが韓国にあるから、韓国市場に進出したのである。

“韓国での利益”以外に大切なもの、その考察は次に譲ることにする。

(つづく)

(ライター:菅井)

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