【コラム】「オンラインゲームの海外流失 ~韓国進出の裏側~」Part1
「韓国を目指せ」

昨今、ゲームソフトメーカーのオンライン分野での海外進出が目立つようになってきた。特に2001年におけるソフトメーカーの進出具合を見ると、それは進出というより“流失”と称しても良い程の勢いである。なかでも、エニックスやハドソン、カプコンにバンダイなどの大手のソフトメーカーは積極的に海外に進出しつつある。彼らが目指しているのは、ゲームソフトの一大消費市場であるアメリカや欧州ではない。市場規模としてはそれらの地域には到底及ばないアジア、それも隣国の韓国だ。韓国には、いま挙げたソフトメーカーのすべてが進出、もしくは進出を予定しており、各ソフトメーカーは韓国進出に大きな力を入れている。

カプコンは、韓国でアニメーションビデオの企画・制作などを手掛けるココ・エンタープライズと共にオンラインゲームなどのゲーム開発会社を設立、韓国市場に本格進出しているし、同じくバンダイも韓国のオンラインゲーム制作会社であるゲームベンチャーと組み、将来的に韓国でのサービス提供も視野に入れた合弁会社を作っている。ハドソンは合弁会社こそ作らないが、韓国のオンラインゲーム会社であるウィズゲートと提携、2002年から韓国国内でオンラインゲームを供給する予定でいる。現地企業と協力する形で、韓国に進出したのはエニックスも同じである。このように、ソフトメーカーによる海外進出の動きは、現地の企業を巻きこみながら、活発化してきているのである。今後はこれらの企業だけでなく、その他のソフトメーカーも追随する可能性も十分に考えられる。

日本のソフトメーカー各社がこぞって韓国に進出している現状から、彼らに大きな期待をされている格好の韓国市場であるが、そうなった原因は、韓国市場には日本のソフトメーカーを惹きつけるほどの魅力があるからに違いない。では、その韓国市場の魅力とは一体何であるのか。それを解き明かすために、このコラムを使わせてもらうのも面白いかもしれない。

(つづく)

(ライター:菅井)

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