【コラム】「子供を狙え ~メーカーの未来志向~」Part1
「熱い視線」

最近、ゲーム業界では子ども向けのゲームソフトやサービスが次々に発表されている。家庭用ゲーム機でゲームをしながら楽しく遊べるゲームソフトシリーズ「キッズステーション」はその代表格であろう。同シリーズを手掛けているバンプレストは2002年春までにシリーズ合計で100万本を売り上げる計画を立てており、「キッズステーション」シリーズを10作品投入するという。これまでの累計販売本数が30万本程度であることを考えれば、かなり強気の姿勢だ。

「キッズステーション」にはアトラスやサン電子もソフトを投入しているが、なかでもアトラスはディズニー・インタラクティブと提携し、ディズニーキャラクターを活用したソフトを2002年3月までに5作品発売するとしている。アトラスは今の所、ディズニーとの提携を「キッズステーション」用ソフト以外に応用していないことを考えると、子ども向けの商品のためだけにディズニーとの提携に踏み切ったと言える。そういうことからも、アトラスの子ども向け商品に対する並々ならぬ力の入れ具合が、ここから読み取れる。

子ども向けに配慮したサービスは、主にゲームセンターで行われている。ナムコは既存のゲームセンター内に子ども向けのゲームコーナー「キッズスタジアム」を昨年新設し、今年は年内までに現在の2店舗から大幅増の33店舗に増やす計画だ。同様にテクモも「キッズパーク」と呼ばれるゲームコーナーをショッピングセンター内にある全ゲームセンターに設置するとしている。アミューズメント施設を運営するプレビは、幼児家族向けのゲームセンター「トドラーファミリー」を導入し始めた。

ゲームとは直接的に関連は無いものの、玩具メーカーのセガトイズの大人気商品である電子知育玩具「ピコ」もこれまでの販売方法を変えつつある。テレビCMを全国に拡大したり、ピコ売り場の刷新やインターネット上に「ピコタウン」を作ったりと、懸命に販促活動に努めている。

こうして見ると、子ども向けの商品やサービスが以前よりも強化されているのが分かる。つまり、各社とも子ども市場に対して熱い視線を送っているのだ。しかし、なぜ子ども市場がもてはやされるのであろうか。どうして、各社は子ども市場に力を入れているのだろうか。今回は、そこに焦点を絞って考えてみたいと思う。

(つづく)

(ライター:菅井)

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