【コラム】「ゲーセン改革 ~ネットカフェの可能性~」Part1
「ネットカフェ化」

2001年5月26日付の日本経済新聞で、タイトーはインターネットカフェ「ネッカ」を東京・秋葉原に出店すると、報じられた。タイトーは今後、「ネッカ秋葉原店」を皮切りに、全国に10店舗以上出店していく予定であり、更にタイトーが抱えているゲームセンター(ゲーセン)の一部でもネットカフェ化を進めていくとしている。

タイトーがネットカフェを推進する裏には、ゲーセンの不振がある。直営や系列を合わせると全国に700店以上のゲーセンを抱えているタイトーには、ゲーセンの不振は業績に大きな痛手となる。2000年3月期、2001年3月期とニ期連続赤字に陥ったのも、ゲーセンの売上不振に因るところが大きい。だからこそ、ゲーセンのてこ入れは急務だったのだ。

てこ入れの一環として行われるのが、今回のゲーセンのネットカフェ化である。しかし、ゲーセンのネットカフェ化は何もタイトーだけがやっているのではない。ナムコも「知・好・楽」というネットカフェを出店しているし、セガやカプコンもゲーセンのネット化には意欲的に取り組んでいる。


こうしたゲーセンのネットカフェ化・ネット化を後押ししているのが、韓国や台湾のネットカフェの成功事例であろう。特に韓国のネットカフェ「PC房」は大成功を納めている。現在までで、およそ2万店のネットカフェ「PC房」があり、客層も小学生から30代の大人までと、幅広い層に利用されている。同様に台湾でもネットカフェは順調に伸びている。2001年5月19日付の日本経済新聞(夕刊)は、台湾のネットカフェは今年、3000店に達する勢いで、市場規模も130億台湾ドル(1台湾ドルが3.7円なので、日本円にすると約481億円)になると、報じた。

お隣の国でネットカフェが大繁盛しているのなら、日本でも上手く行くだろう、とゲーセンを抱える企業が考えてもおかしくは無い。特にタイトーはそう考えたのだろう。なぜなら、タイトーが推進しているネットカフェは韓国の「PC房」の日本版だからだ。

隣国で大きな市場に成長したネットカフェを、そのまま日本に持ってくれば同じように流行るかも知れないと考えたタイトーの試みは果たして上手くいくのであろうか。

(つづく)

(ライター:菅井)

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