【コラム】「ケータイに懸ける淡い期待~携帯電話市場の限界と夢」Part1
「二人に一人」
 
2001年3月7日、携帯電話各社から加入状況(稼動ベース・速報値)が発表された。それによると、PHSを含む携帯電話の総加入台数が6527万9000台に達し、人口普及率が51.4%にまで高まった事がわかった。つまり、日本人の二人に一人は携帯電話・PHSを所有している計算になる(日経産業新聞 2001年3月8日付)。

ここまで携帯電話を普及させた理由は第一に「低価格」、第ニに「多様化」であろう。以前は高価なものであった携帯電話の価格が引き下げられ、僅かな負担で誰でも利用できるようになった事は大きい。加入者獲得競争合戦がもたらした「低価格化」は、携帯電話所有者層を広げた一つの大きな要
因である。ただ、低価格路線だけでは、加入者も限られてくる。ある程度、携帯電話を持ちたいと思う人達に行き渡れ
ば、そこでひと区切りついてしまうからだ。さらなる加入者増のためには、新たな戦略が必要になる。その戦略が、「多様化」だ。

携帯電話でなんでも出来る。NTTドコモが提供するインターネット接続サービス、通称「iモード」は携帯電話を「会話が出来る」携帯電話から、「会話も出来る」携帯電話へと変えてしまった。これによって、携帯電話はインターネット端末に姿を変える事になった。今や、天気やニュースを知る事も、各種チケットを予約するのも、銀行振込などをするにも携帯電話さえあれば十分なのだ。携帯電話が会話の道具から、ネット端末になったことで、携帯電話所有者は飛躍的に増加した。何でも出来ると言う高い付加価値を携帯電話に与えた事で、ユーザーの層が限りなく広がったのである。

(つづく)

(ライター:菅井)

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