「カードゲームが流行ったわけ」
なぜ、このようにカードゲームが流行ったのかといえば、それは大ヒット作の登場を抜きにして語れないだろう。
日本で最初にカードゲームに火をつけたと言われているのが、アメリカで大人気であった「マジック・ザ・ギャザリング」と言うカードゲーム。次に「ポケットモンスター」や「遊戯王」などである。「マジック・ザ・ギャザリング」は1996年に日本で発売されて以来、約2億枚を出荷している。全世界ベースでは約60億枚の出荷がされているのだ。日本発のカードゲームである「遊戯王」の売上は、今年度で300億円に達すると見こまれている(同)。今、述べたような大ヒット作がカードゲーム普及に大いに貢献したのは間違いない。さらに、ゲームよりも低価格で、かつ、カードの種類を沢山集めなければ十分に楽しめないというカードゲームの特徴も、カードの収集欲に火をつけたと思われる。また、気軽に遊べるのも人気の一つであろう。
こうして、「大ヒット作の登場・低価格・カードの種類の豊富さ・気軽さ」などが受けて、ユーザーはカードゲームに夢中になった。だが、これはゲーム業界にとっては由々しき問題である。ユーザーの関心が確実に「TVゲーム・携帯ゲーム」から「カードゲーム」にシフトしつつあるからだ。
「カードゲームからユーザーを取り戻せるか」
現在はカードゲームに既存のゲーム市場が食われている格好だが、これを逆転させるためにはどうすれば良いのであろうか。いや、もっと単純に言えば、ユーザーを再び「TVゲーム・携帯ゲーム」に取り戻すためにはどうすれば良いのか、であろう。
この問題に対し、既にゲーム業界では一つの答えを用意している。それは前に述べた通り「オンラインゲームの活用」だ。彼らはこれをテコにもう一度、ユーザーの関心を惹こうと目論んでいる。だが、オンラインゲームは本当にユーザーの関心を得ることが出来るのであろうか。本当にカードゲームから
ユーザーを取り返すことが出来る切り札になりえるのであろうか。
筆者は、オンラインゲームは「切り札」に十分になり得ると考えている(もちろん、通信インフラ等がきちんと使い勝手良く整備されている前提で、という但し書きは付くが…)。しかも、カードゲームの存在が、オンラインゲームの普及の後押しをするとまで考えている。
ではなぜ、筆者はこのようなことを言うのであろうか。この理由をこれから記していきたいと思っている。
(つづく)
(ライター:菅井) |