【コラム】告知効果のない東京ゲームショウ |
ここ数回、東京ゲームショウの価値を疑問視する声が出ている。昨年のセガ・スクウェアの未参加や、来客数の減少、物販ブースの問題など、目に見える部分で問題が生じている。
今回2001年春の東京ゲームショウの出展概要が明らかになった。前回に引き続き、セガの未参加、そして、エニックス・角川書店等の参加も、現時点では決まっていない。また、協賛からプラットフォームフォルダのセガが消え、任天堂も現時点で未定扱いになっている。(代わりにXboxのマイクロソフトが協賛になっている。)
このように、出ても出なくてもいいという考えがメーカー側に出ている現状を考えると、そろそろ東京ゲームショウのあり方事態を考え直す必要があるだろう。
今回、特に問題視したいのは実施日であろう。3月30日~4月1日という日程は、学生の春休みを考慮に入れた日程だと思うが、この日ではメーカー側にとってはマイナス面しか見出せない。
ゲームが大量にリリースされる時期は決まっており、3月・9月・12月に多くのソフトが集中して発売される。3月は決算目前にして各メーカーがさらなる収益を目指してぎりぎりのスケジュールで発売させる。9月も中期決算を考慮して発売するメーカーが多い。12月は言わずと知れた年末商戦のため、多数のソフトが登場する。
今回の日程では、既に3月に発売したソフトを主に出展するしかない。だが、それでは告知効果を目指すメーカーの意図を満たすことは出来ない。既に買う人は買っているであろうし、テレビCMなどやゲーム雑誌などでも広告を出しているだろう。イベントでプレイしてもらい、その感想を口コミで知ってもらうなども出来るが、既に製品版が出ているのなら、その口コミ効果も製品版で行ってもらえばいいだけである。ブースに既に発売されているソフトの試遊台を用意しても、既に購入した多くの人は触りもしないという逆効果しかない。
メーカーがなぜ参加するのか。それはより多くソフトを売るための一つの手段として参加するのである。なのに、高いブース料を支払うだけで、対費用効果が得られないのであれば、参加を見合わせるのは当然であろう。
ゲームに興味がある人は、ゲームショウに興味があるのではなく、ゲームに興味があるために会場に出かけるのである。そのゲームを作るメーカーがいないのでは話にならない。まずはメーカーにとって望ましい形、出たいと思わせることが重要である。そうすれば、おのずと良いソフトがそろい、結果として来客者も集まるだろう。 |
|
|