【コラム】「“バイオ”GCへ移籍 ~開発者側の論理~」Part1
「Good-bye PS2」

ソフトメーカー大手のカプコンは自社の看板ソフトである「バイオハザード」(以下、バイオ)シリーズを今後、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のプレイステーション2(PS2)向けにではなく、任天堂のゲームキューブ(GC)に独占的に供給する事を発表した。2001年9月13日、都内で行われた“「BIOHAZARD」戦略発表会”で明らかにされたこの事実は、周囲に驚きを与えた。それは、主要なバイオシリーズはこれまで、PSでの供給が多かったために、その流れを引き継いでバイオシリーズは今後も当然PS2で出されるものだと、殆どの人が思い込んでいたからだ。

さらに、カプコンが抱えている事情もそれに拍車をかける。カプコンは2002年3月期にゲームソフトを1220万本販売する計画を立てているが、その中でPS2用のソフトは計画値の半分以上の690万本も占めているのだ(ZDNet 『カプコン 2001年は家庭用ゲームに集中する』 2001年5月24日)。これを見れば、計画を達成するためには、PS2に最も力を入れなければならないことが分かる。そのような背景があるため、バイオシリーズがPS2で出るのは、当たり前だと思われていたのだ。

だが、そうした周囲の見方があったにも関わらず、バイオシリーズはGCに移籍することになった。しかも、今後バイオシリーズはPS2には一切供給せずに、GCにしか供給しないという。マルチプラットフォーム戦略を掲げるカプコンの従来の方針から、今回の発表を予想する事は困難であったと言って良いだろう。この発表を受けて毎日新聞は『カプコンは、複数ハードへ同一、同時期価格で発売する“マルチプラットホーム戦略”を打ち出していたが、軌道修正した』(LYCOSニュース 「“バイオハザード”ゲームキューブへ PS2から撤退(毎日新聞)」 2001年9月13日(木)18時38分)と報じ、カプコンの戦略が変わったことを伝えた。

今回のカプコンの決定はまさに異例と言える。PS2に力を入れ、PS2用ソフトを売りたいはずなのに、看板ソフトをまだ登場して間も無いGCに移籍させ、さらにはカプコンが掲げてきた戦略さえも無視をする形でバイオシリーズの独占供給を決めたのだから。この決定は普通に考えれば理解に苦しむ。どうしてカプコンはこのような決定をしたのであろうか。なぜ、カプコンの看板ソフトであるバイオシリーズをPS2ではなくGCに供給しなければならないのか。やはり、毎日新聞が伝えた通り、カプコンの戦略自体が変わってしまったからなのであろうか。それとも、他になにか別の理由があるせいなのか。

今回のコラムでは、疑問ばかりが湧きあがるバイオシリーズの移籍の真相について考え、さらにそれがどんな意味を持っているのかという所まで探ってみる事にしたい。

(つづく)

(ライター:菅井)

■ゲームニュース
ゲーム最新ニュース

PS4
PS3
PS2

PS Vita
PSP

Wii Wii U

ニンテンドー3DS
ニンテンドーDS

Xbox One
Xbox360

WINDOWS
DVD ブルーレイ

スーパーロボット大戦
テイルズ オブ
ファイナルファンタジー

ゲームニュース2007年
ゲームニュース2006年
ゲームニュース2005年
ゲームニュース2004年
ゲームニュース2003年
ゲームニュース2002年
ゲームニュース2001年
ゲームニュース2000年

■各種コンテンツ
ゲームいろいろ情報サイトマップ
ゲーム発売日
アニメ発売日
漫画コミック発売日