【コラム】「ハドソン買収 ~それぞれの目論見~」Part2
「ハドソンの目論見」

『要するに我が社には資金がなかった。…資本提携の一番のメリットはこれで財務体質が見違えるほど良くなること』(2001年7月31日 日経産業新聞)。ハドソン工藤社長は、コナミからの50億円の出資に対し、こう述べる。しかし、ハドソンにとっての一番のメリットとは、本当に財務体質が強化されるという事だけなのか。確かに、2001年2月期の売上高ですら70億円程度のハドソンにとっては、とてつもなく大きい資金が手に入るため、財務体質が目に見えて良くなるのは間違いない。ただ、ハドソンにとって今、この時期に手に出来る50億円は本当に欲しい資金であったのだろうか。

ハドソンが資金難に苦しめられた時期は、主な資金調達源であった北海道拓殖銀行が98年に破綻してから4年間にも及ぶ。工藤社長は『当社はメーンバンクである北海道拓殖銀行破たんから四年間、ほとんど開発資金を調達できなかった』(2001年7月27日 日経産業新聞)と語り、その間は『初めて体験した地獄の苦しみ』(2001年2月16日 日経産業新聞)だったという。北海道拓殖銀行破綻後の4年間はハドソンにとって苦難の時代であったのだろう。

だが、ハドソンを地獄に落とした原因の資金難はすでに解消しているといっても良い。なぜなら、ハドソンは2000年12月にナスダック・ジャパンと呼ばれる株式市場に株式を上場させ、20億円近い資金を調達しているし、翌2001年には北洋銀行や住友銀行(現三井住友銀行)などの複数の銀行から32億円を借入れているのだ。合わせると、約50億円程度の資金となり、ゲーム開発資金としては十分なレベルである。2001年3月24日の日本経済新聞によると、ハドソンは2002年2月期から毎年の出荷タイトルを20前後にする考えだが、それらを開発するための費用は2002年2月期で55億円前後だという。そうなると、ハドソンは自前でゲーム開発に必要な資金は確保していることになるのだ。

では、なぜハドソンはコナミの傘下に入る事を決断したのか。それは、コナミグループ入りすることで、コナミを利用し尽くすことができるからだ。工藤社長は、コナミとの提携のメリットについて、財務体質の強化の他にコナミが所有する版権や販売網の利用をあげている。『ゲーム開発ではコナミが保有する版権などを活用できるのも大きい。コナミの販売網を活用できれば、ゲームの売り上げ増も期待できるだろう』(2001年7月31日 日経産業新聞)とし、コナミを利用することでハドソンには大きなメリットが生まれると、工藤社長は言う。

つまり、ハドソンにとって一番欲しかったのは、50億円ではなく、コナミが持っている力だったと結論付ける事ができるのだ。それを裏付けるかのように、工藤社長はこうも述べている。『(コナミの)上月社長には利用できるモノは何でも利用させてもらうと話してある』(同 括弧内は著者)。

コナミを徹底的に“使う”。これがハドソンの狙いだ。

(つづく)

(ライター:菅井)

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