【コラム】「Xboxを取り巻く人々 ~Xboxの評価~」Part2 |
「酷評」
Xboxを迎え撃つ形のソニー・コンピュータ・エンタテイメント(SCE)、任天堂のトップはXboxに関して非常に厳しい意見を口にしている。特にSCEの久夛良木社長は英フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで、Xboxを酷評している。そこには、世界最大のゲーム見本市「エレクトロニック・エンターテインメント・エクスポ」(E3)で展示されていたXboxが、関係者の失望を呼ぶものであったとし、『マイクロソフトは(次世代ゲーム機競争が)始まる前に終わったも同然』(CNNホームページ
2001.05.25
「Xboxは“終わったも同然”-ソニーCE社長」) と言い放った。具体的には『マイクロソフトは、エンターテインメントビジネスを理解していない。処理速度は十分でなく、グラフィックスも雑だ』『(米国の)小売り業者は、金額ベースで(ソニーの)プレイステーションが売り上げの70%を占めると予想している。残りの30%が任天堂とXboxだが、そのほとんどは任天堂となるだろう』(同)と、Xbox自体に魅力が無いことを指摘しつつ、さらにXboxはプレイステーションに勝つどころか、任天堂のゲームキューブにすら負けると予想したのだ。このニュースを伝えたCNNのホームページにはこの主張を裏付けるかのように、Xboxへの評価がアナリストの間では下がっているようだとも付け加えている。
今年9月にゲームキューブを発売する予定の任天堂山内社長も、久夛良木社長に負けず劣らず強気の発言をし、Xboxを冷評した。『Xboxとゲームキューブは発想が根本的に違う。Xboxはハードディスクを内蔵するなどパソコンの延長線上にあるものだ。性能ばかり追求するマイクロソフトは、ゲームがソフトで遊ぶものという、ことの本質を理解していない。任天堂のゲーム機はあくまで“おもちゃ”。遊びのための最高の機械で全く別物だ。相撲取りとプロレスラーが違うルールで試合するようなもの。競合相手とは考えていない』(2001年5月24日
日経産業新聞)
こうしてみると、山内社長も 久夛良木社長もXboxは自社の提供するゲーム機とは全く相手にならないゲーム機であるという意見で一致しているのが分かる。ただ、これも考えてみれば当たり前だろう。誰も、自社の製品以上に他社の製品を褒めたりしないものだ。それが自信作であればなおさらである。
SCE・任天堂の主張は、マイクロソフトの主張を真っ向から対立するものだが、これはそれぞれの立場上仕方が無い。しかし、それでは、Xboxの真の姿は見えてこない。Xboxはどんなゲーム機であるのかを知るためには、さらに別な意見を聞く必要があるだろう。
(つづく)
(ライター:菅井) |
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